紋別～美幸線区間(2)へ

　【仁宇布の北、美幸線未成線区間の志美宇丹。この街も「街と鉄道」こだわりの地ですが…】

　仁宇布から北、美幸線は鉄路を、"幸"の文字の街、北見枝幸へとのばすべく、建設が進められた。いや、美幸線の場合、北海道内、他の地区で赤字路線の廃止への動きが加速していた時期に、"新路線"としての建設が進められた。しかし、列車が走ることなく、"未成線"となった美幸線北部区間。その、未成線区間沿線の街、志美宇丹。素敵な名前の志美宇丹。これまでに、私もこだわりを持って、2回足を運んでいた志美宇丹。　しかし、2010夏の志美宇丹は…

保育園。　左：2004夏　　右：2010夏

小中学校。　左：2004夏　　右：2010夏

　説明不要ですね。
　志美宇丹では、保育園も小中学校も、失くなっていました。　いや、保育園、小中学校ではない。どうも"街そのもの"が無いぞ…

　街が無かった。　悲しい姿でした。
　この日、私は少し遅めの昼食を歌登市街でとったのですが、歌登の寿司屋さんで、「どちらからいらしたんですか？」「名古屋です」とやり取りをしている中で、私の言葉、「さっき、志美宇丹を見てきた。街が無くなっていた」。まぁこの時点で、寿司屋のかたにとっては呆れるのでしょうが、彼らも悲しそうに、彼らが知る志美宇丹の状況を話してくれました。

　あまり悲しい話をするのも気が滅入る。「鉄道により、人が集まる。駅に人が集う。これが、鉄道が作る素敵な世界」という話になると、ご主人から、「枝幸の駅跡前の2軒の駅前食堂。実は今も1軒は営業を続けている」という話になりました。　駅前食堂というものは、かつての鉄道の時代の何よりの生き証人。　あぁ、枝幸の駅前食堂がまだあるのなら、せっかくだ。2010夏も現役の駅前食堂を見に行こう。既に、ここ、歌登で美味しいお寿司を頂きましたから(本当に美味しい寿司でした)、枝幸の駅前食堂での食事は無理でしたが、その姿は見ておきたかった…

北見枝幸駅跡。現役の駅前食堂、2010夏

北見枝幸駅跡。枝幸バスターミナル、2010夏

興浜線(興浜北線・興浜南線)夢の跡をたどり、興部から宿泊地・紋別へと向かう