山野線

― 栗野～菱刈～水俣 ―
(鹿児島県-熊本県)

【久木野トンネルを抜け、水俣川水系に入った山野線】

久木野トンネルを抜け、水俣市大川地区に入った山野線は、ひたすら下りました。
結局、急勾配を少しでも避けるための布計まわりルートでも、水俣側でループを余儀なくされていました。

ループ線跡

ループを登りきり、左写真のちょうど真ん中を、左右方向に走っていた山野線。
車両がないと絵にならない写真ですが、ちょうどこの写真を撮っている場所には、事情あって、山野線時代からのレール(写真右下) が残されているのです。

しかし、今さらレールを見たところで、思うところなど何も無い。

そして、それはこの水俣市大川に残る、水俣川水系・久木野川を渡る橋梁跡を目にしても、何ら変わらないのです。

水俣市大川に残る、久木野川橋梁跡

【「久木野」の名を冠した、久木野駅跡へ】

大川地区からさらに久木野川沿いを下り、かつて鉄道がこの地を走っていたことを知らせるべく整備された、久木野駅跡まで来ました。

当日、私が久木野駅跡に到着すると、美術の授業で写生に来ていた、地元の中学生たちに出会いました。
久木野でも私が期待した通り、中学生たちは実に礼儀正しく、私のような旅の者にもあいさつをしてくれました。ここ久木野では、それだけで十分でした。

久木野駅跡

そして、久木野駅跡の少し先には、各種鉄道書籍でも取り上げられている、線路跡を利用したサイクリングロードが整備されています。
「日本一長～い運動場」と看板を出した、サイクリングロード。水俣川沿いに、水俣駅方面へとのびるサイクリングロードは、多くの人が利用してくれるのを心待ちにしているはずです。

久木野を基点とする、山野線廃線跡を利用したサイクリングロード
「日本一長～い運動場」

八代海はすぐそこに…