- 敷設計画区間を眺める -

五新鉄道を新宮から追う

【大塔村阪本へ】

五新鉄道の夢を引き継いだJRバス阪本線。ここまで来ても、十津川の眺めはダムの影響で相変わらずです。

大塔村阪本にて

そして、ここでやっと本物の五新鉄道の遺構を目にすることになります。

五新鉄道(阪本線)未成線跡の遺構・天辻トンネル大塔村口
(現・大阪大学核物理研究センター大塔コスモ観測所)

未成線として終わった、五新鉄道の天辻トンネル(全長5039.5m)大塔村口です。
この天辻トンネルは、一部メディアでも取り上げられたように、現在、"大阪大学核物理研究センター大塔コスモ観測所" として、宇宙の謎を解き明かすべく、第2の人生を送っています。
紹介すべきことはそれだけであり、それ以上でも、それ以下でもありません。

もう先へ進みましょう。五新鉄道を追うと、いつも精神的に疲れます。

天辻峠を越えて吉野川水系に入ってしばらく進むと、宗川大鉄橋が見えてきました。ここまで来れば、今でもJRバス阪本線がやってくる城戸駅(奈良県西吉野村)は、すぐそこです。

1999年12月の城戸駅

【あとがき】

城戸にたどり着くと、13:30発五条駅行 JRバス阪本線は、タッチの差で既に出発してしまっていました。
私にとっても、万事この調子で、いつでも何かが噛み合わない五新鉄道。今眺めてきた地域に、本当に鉄道が必要だったのかを含め、考えさせられることが多すぎます。
それでも静かに時は流れていく。とどまることなく。

完

【参考資料】
熊野古道(3)・中辺路と大辺路：横田健一他執筆(向陽書房)
熊野本宮をたずねて：熊野本宮大社刊
十津川巡り：十津川村教育委員会
R168浪漫探検倶楽部：十津川村商工会・西吉野村商工会・大塔村役場・野迫川村役場
萌の朱雀：ビターズ・エンド(映画「萌の朱雀」公式パンフレット)

へ戻る