室蘭

【鉄の街、そして取り残される街、室蘭】

　とにかく、今回こだわりを持って訪れることに決めていた鉄の街・室蘭。
　今回訪れることにしたのは、室蘭市の中で、室蘭駅とその周辺を中心とした地域です。室蘭本線の幹線からは支線のごとく分岐した先にある室蘭駅。そう、地形的に幹線鉄道から離れて取り残される危うさのある街・室蘭駅周辺。私がどうしてもこだわりを持ちたくなる条件を備えた街です。

　私が小さかった頃、「室蘭」と聞けば、それは私にとって自動的に「新日鐵室蘭」を意味していました。新日鐵は室蘭駅から少し距離がありますが、少なくとも半島の先っぽという室蘭駅の立地は、その街の主要産業が斜陽の時代に陥ると、その街はますます状況が悪くなるように思える。幹線鉄道、幹線道路から離れた街の怖さは、これまでに私もそれなりに色々な形で触れてきた…

　そんな思いを胸に抱いたまま、私はJR室蘭駅前に立ちました。

JR室蘭駅

　成りは新しい室蘭駅舎。これが、新しい時代を生き抜こうとする室蘭駅の今の姿です。
　これまで室蘭の駅舎は、歴史を感じさせる味わい深いものでしたが、その駅舎は元の駅所在地に残り、室蘭観光協会の事務所として元気にしています。

旧室蘭駅舎・現室蘭観光協会事務所

　この室蘭の駅周辺の様子を遠望するため、私は半島を奥へと向かい、測量山に登りました。

測量山から望むJR室蘭駅

　写真中央に見える室蘭駅。駅構内に列車が入っている様子が見えます。そしてその向こうにはすぐに太平洋。そう、ここは本当に太平洋に突き出した地域なのです。この地形は、はっきり言って工場での製造物を海上輸送する上で最高の条件です。しかし、「街」という観点からは…
　しかし、海上交通の上では最高の条件。と言うことで、測量山から室蘭のフェリーターミナル方面を眺めてみます。

測量山から望むフェリーターミナルそして新日鐵

　港、そして港を最大限利用できる立地の新日鐵。これが室蘭のたどってきた、背負ってきた歴史そのものの眺めです。

　半島の先、どん詰まりの街だった室蘭。しかし、古くから待望されてきた白鳥大橋の完成で、世界が大きく変わったはずです、大きく、多分、きっと…

測量山から望む新しい室蘭の象徴、白鳥大橋

地球岬方面へ