－麗しい世界遺産・姫路城と虚しい昭和の負の遺産・モノレール廃線跡と… ―

姫路市モノレール

(兵庫県姫路市)

【日本が世界に誇る世界遺産・姫路城と虚しいモノレール廃線跡をもつ街、姫路】

姫路。
素敵な街です。大好きです。

かつて私は大阪に住んでいたことがありました。それ以前には関東に住んでいた関係で、時々、大阪の我家は以前からの知り合いの関東からのお客様を迎えていました。そのお客様が来ると、大概は泊りがけになっていました。しかし、お客様には泊まって頂くだけというわけにはいきませんから、翌日以降はどこかに出かけることになる。その時、決まって私の母がお客様を招待したのが、姫路の街でした。

なぜ姫路だったのか？
理由の説明などいらないかな。姫路には姫路城があるからです。美しさはもちろん、とにかく敷地を含めてその大きさに驚かされる姫路城。我々が大阪に住んでいた頃は、まだ日本が世界遺産条約に署名していませんでしたから、世界遺産という紹介のされ方はありませんでした。その頃は、姫路城を "国宝・姫路城" と呼んでいたかな？もちろん、現在でも国宝・姫路城という呼ばれ方をされることも多い。しかし、日本の世界遺産条約署名後、姫路城は奈良県斑鳩町の法隆寺とともに国内で最初に世界遺産に登録された、国内の世界遺産を代表する遺産ですから、ここでは敬意を表して世界遺産・姫路城と呼びましょう。

その姫路城、大阪に住んでいた我々はお客様とともに、大阪駅からJRの新快速を利用して姫路を訪れていました。ところで私はと言えば、何回かに1回は母にお供して(お供させられて???) 姫路を訪れていたでしょうかね、確か。

何度も何度も行った姫路。麗しい世界遺産・姫路城のある姫路。
しかし、5年ほど前にインターネットをはじめ、ホームページ「街と鉄道」を運営するようになってからの私が改めて姫路の街を眺めるとなると、どうしても目を向けてしまうものがあります。

それは、姫路市モノレール廃線跡。

昭和40年代、10年間と走ることができなかった姫路市モノレール。この姫路市モノレールは、現在のJR姫路の駅前と手柄山の間を結んでいました。

しかし、私が大阪に住んでいた頃は我々が姫路に行くと訪れたのは姫路城であり、姫路城以外を訪れるとなると書写山だったでしょうか。一方、手柄山方面に足をのばすことはなかったですね。手柄山は姫路の駅から比較的近いのですが、こちら手柄山には足が向きませんでした。当時はモノレールの廃線跡なんて見たいとも思わなかった…
それが、いつの間にか「街と鉄道」を始めてしまったのですから、今回の姫路探訪では姫路城に行く前にモノレールの廃線跡に沿って手柄山方面へと歩いてみることにしました。

【8年ぶりに姫路駅前に立つ】

本当に久しぶりの姫路。私が最後に姫路を訪れてから既に8年以上が経過していた。そう、8年ぶり、そして大阪を離れてから2度目の姫路になります。私は改札を抜け、駅北口へ出ました。

姫路駅北口から大手前通りの向こうに姫路城を望む

現在、朝9時過ぎ。この日の朝は雲一つ無く、大手前通りの奥には姫路城がそびえています。

世界遺産・姫路城

しかし、今日は姫路城を訪れるのは午後にします。まず、私と同じ昭和40年代製のモノレール廃線跡へと向かいます。

いたるところに残るモノレールのコンクリート桁を眺める