国鉄美幸線

美深駅舎

【美深駅】

「日本一の赤字線」の起点だった、美深駅。すっかり新しく生まれ変わっている美深駅舎の正面側の壁には、ご丁寧にも温度計が設置されています。1998年の涼しかった夏。私が美深駅の前に立った時には、駅舎の壁に温度計が設置されていることに気がつきませんでした。

しかし猛暑の1999年夏。私は、いやでも温度計の存在に気がつき、目が行くことになりました。温度計に表示されていた数字は、36。本当に勘弁してほしかったですね。美深駅前に立った私は、すでに日焼けにより、皮がむけはじめていました。

美深駅舎、美深町交通ターミナルの2Fに開設された美幸線記念館は、小規模ながらも展示品を並べて、見学者の来訪を待っていました。

仁宇布駅跡

【仁宇布に向け、何もない世界へ】

美深駅を出発すると、いきなり何もない世界へと飛び込んでしまいます。美幸線が廃止に追い込まれた理由を肯定するかのように…
そこで私は、一気に仁宇布まで走り抜けてみました。仁宇布駅跡にはトロッコ王国なるものがあり、レールを残した美幸線廃線跡(5kmほど)を、軌道自転車で自走することができる。そこで、トロッコ王国の様子を、ちょこっと覗きに行ってみました。

私がトロッコ王国を覗きに行ったちょうどその時、トロッコに挑戦しようとする3人組の女性に出会いました。軌道自転車の運転方法を説明員から聞く3人組。私も少し離れたところで、説明員の話を聞かせていただいたのですが、彼の説明はなかなか面白かったですね。特に、「トロッコの運転について、わからないことは今のうちに聞いて下さいね。出発した後わからないことがあっても、誰も手助けできませんから。」が最高のフレーズでした。

私自身、説明員さんの話を聞いていて、「美幸線の運転も、実はトロッコ運転と同じような、行き当たりばったり状態だったんじゃないかな」などという不謹慎な思いが、頭をよぎりました…

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