夕張鉄道



【夕張本町】

夕張本町駅は、かつて夕張でもっとも賑やかだった、本町にありました。場所で言えば、現在の夕張市役所の裏です。また、夕張市内の夕張鉄道廃線跡は、サイクリングロードとして整備されており、簡単に廃線跡を追うことが出来ます。
しかし、廃線跡を追うのは後回しにして、夕張本町駅すぐ近くの本町商店街へ行ってみました。




「歴史村商店街」を名乗る、本町商店街



現在、「歴史村商店街」を名乗る、本町商店街。建築物は改装されていたものも多かったのですが、明らかに「石炭の時代そのまま」であろうと思われる建築物も多く見受けられました。


あぁ、ホテル・シューパロ…
しかし、本町商店街北端まで進むと、巨大な近代建築が待ち受けています。この近代建築こそ、新生夕張の象徴、ホテル・シューパロです。明らかに、本町商店街の景観において、「浮いている」ホテル・シューパロ。しかし、ホテル・シューパロ目当てで夕張に足を運ぶ観光客も多い以上、私が要らぬコメントを出すべきではないでしょう。「本町商店街の景観」の面では、浮いた存在であるホテル・シューパロも、本町商店街に対する貢献の大きさを考えれば、今や、ホテル・シューパロは立派に夕張の一員です。私は、ホテル・シューパロの前で、人の流れを眺めました。短い時間でしたが、何台もの車がホテルの駐車場へと入っていきました。その車も、わナンバー、れナンバーのレンタカーではなく、旭川ナンバーや釧路ナンバーの家族連れワゴンを多く見かけました。車の中から出てきた人たちの格好も、いかにも「レジャーに来た」といういでたちでした。しかし、これはこれでいいじゃないですか。「石炭の時代のことなんて知らないわ」と言われてもいい。夕張に足を向けてくれる人たちがいる。そしてこのことが、現在も夕張にお住まいの方たちへも、良い意味での貢献をしているのだから。

もう一度、本町商店街を南下し、通りの様子を撮影していると、一人の女性が私に声をかけて下さいました。年の頃からすると、50代くらいかな？(違ってたらゴメンナサイ) この方は私のために一時間ほど割いて下さった、ありがたい女性でした。彼女は、本町の街並みの変遷を、彼女の視点から語って下さりました。彼女の言葉の端々から、夕張そして本町全盛時の活気、そして寂れてしまった現在の本町に対する、無念の想いが感じ取れました。





本町・思い出橋から望む、士幌加別川



一方、彼女から聞くことが出来た鉄道の話は、本町に置かれていた「2代目・国鉄 JR夕張駅」時代の話でした。この、国鉄 JR夕張駅移転に関する話は、夕張にお住まいの方がお怒りになるのももっともだと思うし、夕張に住まない私からしても、おかしな駅移転が行われてしまったと思っている。
しかし、この辺の話は、「道央'99」の「2.JR石勝線夕張支線」のコーナーで扱うこととしましょう。
そう、このコーナーは、「夕張鉄道」を扱っているのですから。


それでは、サイクリングロードとなった夕張鉄道廃線跡へ進みましょう。


夕張鉄道廃線跡へ