秋の吉野

【緑の秋、そして黄と紅の秋を探しに…】

吉野山ロープウェイ・千本口のりば付近にて (2000.11.25撮影)

「街と鉄道」では、前回の「2000年を迎えた吉野」(2000年1～4月)の結びで、次の吉野関係のお話として「秋の吉野」を扱うことを宣言してきました。そして今、私は秋の吉野の話を書き始めます。

2000年秋。私は「秋の吉野」を求めて、10月に2日間、11月に3日間、吉野入りしました。10月は吉野山の秋祭りが行われる週末に、11月は私の時間が取れた週末の吉野入りでした。
10月の吉野入り時は、「紅葉には、ちょっと早いだろう」と覚悟しての吉野入りでした。しかし、実際に吉野入りして、あそこまで木々の葉が緑とは、予想の域を越えていました…
そして11月は、「紅葉の盛りは過ぎてしまっているだろうな」との思いを持ちながらの吉野入りでした。

しかし今、10月の、そして11月の吉野の写真を目の前にして、「緑だから秋の雰囲気が無い」だの、「もう少し綺麗な紅だったらよかったのに」、などと言うべきではないと思い始めました。だって、10月、11月に私が吉野で撮った写真は、どちらもありのままの吉野の姿なのですから。

それでは、10月、11月の吉野の風景を眺めながら、「秋の吉野」の話を展開していきましょう。そして、「吉野の秋」のすべてを受け入れるため、10月の写真と11月の写真をいっしょに見ていきます。そう、緑の吉野も、黄と紅の吉野も、ありのままの姿なのです。

さあ、それでは吉野、今回はまず吉野山へ入りましょう。そして今回は、吉野の一員であるにも関わらず、これまで「街と鉄道」で扱ってこなかった、吉野山ロープウェイで、千本口のりばから吉野山のりばまで上がりましょう。近鉄吉野駅から、その吉野山ロープウェイのりばへ向かう道中、きれいな紅(左上写真)が私を迎えてくれました。この紅を抜け、私はロープウェイを待つのでした。

私を迎えにきた吉野山ロープウェイ。千本口のりばにて (2000.11.25撮影)

吉野山ロープウェイ・吉野山のりばから、秋の金峯山寺蔵王堂を目指す