白糠線
― 白糠〜北進 ―
【完全に死んでいた上茶路駅跡】
だんだんと雨が強くなる中、私は上茶路の駅まで来ました。
上茶路駅
人によっては、「廃線となった駅ならではの雰囲気」と表現するのかもしれません。
しかし、私にはそんなことを思うだけの心の余裕がありませんでした。橋梁だけでなく、駅までもがあまりに惨めに捨てられていました。ここを見に来たのが申し訳なく思えるような雰囲気を強く感じざるを得ませんでした。私にそのような惨めな思いを感じさせた上茶路駅は…
こんな悲しい眺めを見せつけられると、私の中に、「廃線跡めぐりは、品のない行為なのかな？」との思いまで出るようになりました。今後、今までのような廃線跡めぐりを続けて良いのか？を含め、しばらく考えていきたいと思います。
そしてこの日の白糠線廃線跡は、「もうこれ以上、残骸を見てくれるな！」とばかりに深い霧を導いて、上茶路から先の無残な残骸を隠してしまいました…
私はただ漫然と白糠線の終点となってしまった北進の駅が置かれた二股の街に入り、「廃線跡をめぐる、とはどういう意味なのだろうか？ 今後も続けてよいものなのだろうか？」と考えはじめました。結論は、二股の街では出なかったし、この文章を書いている今でも出ていません。しかし、これからもずっと、結論を追いつづけるのでしょう、きっと…
北進の駅があった、二股の街…
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